最近の博士、修士、卒業研究 |
「チベット空気シャワーアレイによる高エネルギー
宇宙線エネルギースペクトルの観測」陳 鼎 2007年博士論文
この研究では、Tibet実験の結果をまとめ10の14乗エレクトロンボルトから
10の17乗エレクトロンボルトまでの3桁にわたる宇宙線全粒子エネルギースペクトル
を求めました。
全粒子スペクトルのKnee は3.8 × 10の15乗eV 付近にあり,陽子スペクトルのKnee
はチベット実験による観測結果と飛翔体による直接観測の結果を接続することにより
4 × 10の14乗eV 付近にあると推定され、これらの結果から,Knee 領域の化学組成は
重核優勢であることが結論され,宇宙線加速モデルとして有力視されている
超新星衝撃波における統計加速のシナリオと矛盾しないことを示しました。
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「Tibet空気シャワーアレイによるTeV領域γ線起源空気シャワーのエネルギー決定」
平野真也 2007年修士論文
現在チベット実験では100TeV 領域のガンマ線に対する感度を上げるために、
新たにミューオン観測装置(Muon Detector, MD) を建設しています。
MD によりシャワー中のミューオンの数を手掛かりとしてガンマ線起源の
空気シャワーを判別することが可能となるため、
MD により空気シャワーがガンマ線起源かハドロン起源かを判別することができれば、
100TeV 領域のガンマ線の感度が上がるだけでなく、ガンマ線起源空気シャワーに
適した空気シャワー解析をすることによりエネルギー決定精度が向上します。
本研究では、チベット実験を再現したフルモンテカルロシミュレーションにより、
大気中のシャワー発達及び検出器レスポンスを詳細に検討しました。
これにより、° 線起源空気シャワーに適した解析方法を確立しました。
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「空気シャワーコア検出器の研究開発」 木村圭太 2007年度修論
"knee"領域の鉄スペクトルを世界に先駆けて測定するため、新しい実験(YACプロジェクト)の準備を進めて
います。
本論文では,次期計画に適した観測装置の開発及び開発した観測装置のテスト実験につ
いての結果をまとめました。1年間のテスト実験の結果,開発した観測装置は
必要な性能を満たしていることが確認されました。
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「YACデータ収集システムの開発研究」 中村俊彦 2007年度修論
YAC実験で使用する新しいデータ収集システムモジュールの開発を行いました。
モジュールは電荷時間コンバータMQT300A、デリスクリミネータとロジック部
から構成されており、ロジックはFPGA を用いました。
テスト実験の結果YAC におけるデータ収集に必要なダイナミックレンジ
1粒子から 10の6乗粒子を測定でき、データ収集モジュールとして
必要な性能を満たしていることが確認できました。
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「チベット実験のためのリモート環境モニタリングシステムの開発」 井上大輔 2007年度卒論
TibetASγ実験で使用する新しい環境モニターシステムを開発しました。
システムはPICマイコン、ADC、シリアル-イーサネット変換モジュールXoprtAR
から構成されており、サーブレットを用いて
チベットの環境データを日本でモニタリングし、遠隔制御できるよにな
ります。
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