片寄祐作[かたよせゆうさく]のホームページ
宇宙のさまざまな情報を担って地球に飛んで来る高エネルギー放射線 (宇宙線)を観測し、宇宙空間や天体で起こっている現象を研究しています。
また宇宙線を観測するための放射線検出器、解析ソフトウェアー、エレクトロニクスの開発とモンテカルロシミュレーションによる研究も行っています。

最近の研究テーマ

チベットでの宇宙線観測実験
一次宇宙線組成の研究
  チベット羊八井(ヤンパーチン、4300m)高原に空気シャワー観測装置、空気シャワーコアー観測装置を設置して、”Knee”領域の宇宙線化学組成を測定しています。 これまでに、 全粒子スペクトル、陽子、ヘリウムスペクトル を得ることができました。    更に重い原子核のスペクトルを測定するため、新しい実験  YAC(Yangbajing Air shower Core)計画を進めています。

宇宙ステーションでの高エネルギー宇宙線直接観測
CALETプロジェクト      宇宙ステーションの船外プラットフォーム ”きぼう”にカロリメータをメインにした宇宙線観測装置  CALET(CALorimetric Electron Telescope) を設置し、GeVからTeV領域の宇宙線観測を予定しています。

 

放射線検出器用 エレクトロニクス開発   
ワイドダイナミックレンジ電荷増幅器(WDAMP) ASIC開発
放射線検出器に用いる測定レンジの広い(0.1fCから数十pC)フロントエンドASICを、KEK、JAXAと共同で開発しています。 これまでに0.35μmCMOSプロセスによるASICを開発しました。 現在、更に低消費電力、多チャンネル化を目指し、0.25μmCMOS プロセスによるWDAMP(Wide Dynamic range Amplifier )の開発を進めています。    

BETS(気球による一次電子の観測実験),(南極周回気球による一次電子の観測実験)
太陽中性子観測による宇宙線加速の研究

最近のトピックス

発表論文 (2011年1月)
"Cosmic-ray energy spectrum around the knee obtained by the Tibet experiment and future prospects", Advances in Space Research, 47,629-639, 2011
M. Amenomori, Y.Katayose, M.Shibata et al, 要旨
1996年から3年間チベットにおいて実施した化学組成測定実験では(PhaseI実験)、X線フィルムを用いて空気シャワーコアーを200μmの精度で測定しました。 その結果、陽子、ヘリウムスペクトルを得ることができ(Phys. Lett. B 632 58-64 (2006)"Are protons still dominant at the knee of the cosmic-ray energy spectrum?")、”knee"の主成分はヘリウムより重い原子核であることを明らかにしました。 更に実験結果を確かなものにするため、プラスチックシンチレーターによるコアー検出器を用いた実験を行いました(PhaseII実験)。 この観測の結果”陽子+ヘリウム”のスペクトルを高統計精度で得ることに成功しました。 この結果は、PhaseI実験を支持するもの でした。

発表論文 "CHEMICAL COMPOSITION AND MAXIMUM ENERGY OF GALACTIC COSMIC RAYS",
The Astrophysical Journal 716 (2010) 1076-1083
M.Shibata, Y.Katayose, J.Huang, D.Chen, 要旨
 
チベット実験で得られた全粒子スペクトルの 鋭い折れ曲がりは、フェルミ加速から予測されるスペクトルの単なる重ね合わせではできないことが分かりました。本論文では「異なる加速限界をもつ複数の宇宙線ソース」モデル により説明できることを示しました。

発表論文(2008年)
"The All-Particle Spectrum of Primary Cosmic Rays in the Wide Energy Range from 10^14 to 10^17 eV Observed with the Tibet-III Air-Shower Array" The Astrophysical Journalpp. vol. 678, pp1165-1179 (2008).
チベット空気シャワー観測装置によって得られたデータから10^14eVから10^17eVまでの3桁の広いレンジで 全粒子スペクトルを測定し、”Knee”の折れ曲がりを高精度で観測することに成功しました。

サイエンスに論文発表(2006年10月)
チベットグループ (The Tibet ASγ Collaboration) の論文が 米科学誌サイエンス (2006年10月20日号) に掲載されました。
「銀河系中の宇宙線は非等方であり、銀河磁場と共に回転している」
"Anisotropy and Corotation of Galactic Cosmic Rays"
abstract

トピックス


Last update: Jan. 4 2012