Tibet ASγ
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TibetASγ プロジェクト
チベット空気シャワー観測装置

  宇宙線を効率良く観測するために中国のチベット高原(標高4300m)に空気シャワー 観測装置を設置して、数TeV(TeV:10の12乗エレクトロンボルト)以上の高エネルギー 宇宙線、ガンマ線を観測しています。これらの実験は東京大学宇宙線研究所をはじめとする国内および中国の大学など計26の研究機関との共同研究として進められています。 チベットの空気シャワー観測装置は現在のところ世界一の観測精度を誇り、宇宙の 謎をを解きかすための貴重な観測データを得ることに成功しています。


研究内容

チベット空気シャワー観測装置は面積0.5平米のプラスチックシンチレータを用いた シンチレーション検出器789台からなる巨大な放射線検出装置です。 一次宇宙線が大気と相互作用して作る空気シャワーのエネルギーと到来方向、到来時間 を測定します。 測定される一次宇宙線のエネルギーは数10の12乗エレクトロンボルトから10の17乗 エレクトロンボルト、 到来方向の決定精度は約1度(@3TeV)でこのタイプの空気シャワー 観測装置としては世界最高性能です。 我々はこの装置を用いて次のような研究をして います。

  • "knee"領域一次宇宙線の化学組成の測定
  • 高エネルギー(数〜数十TeV領域)の宇宙ガンマ線点源探索
  • 高エネルギー宇宙線による太陽惑星間地場構造の研究
  • 宇宙線到来方向の異方性
  • .......

当研究室では主に宇宙線化学組成の研究をしており、 "knee"領域(10の15乗エレクトロンボルト付近)の化学組成 を明らかにすることを目指しています。 "knee"領域組成は宇宙線の加速起源や伝播機構 を強く反映しており、詳細に調べることにより宇宙線起源の100年来の 謎が本研究により解明されるとが期待されています。 これまでの研究では宇宙線全粒子スペクトルと陽子、ヘリウムスペクトルを明らかに しました。 "knee"領域の主成分はヘリウムより重い原子核によって構成されて おり、宇宙線起源は超新星爆発によるショック加速であることを支持しています。

(Phys. Lett. B 632 58-64 (2006) 左図陽子スペクトル、右図ヘリウムスペクトル)

次期計画として "knee"の鉄成分のスペクトルを測定するため新しい空気シャワー コアー観測装置( Yanbajing Air shower Core detector:YAC )の準備を進めています。

観測はチベット空気シャワー観測装置とYACを連動して行います。 空気シャワー観測装置により一次宇宙線のエネルギーと到来方向を測定し、 YACは空気シャワーの中心部の粒子数密度とその広がりを測定します。 中心部の粒子数密度分布は入射粒子によって特徴をもつため、YACによって 鉄宇宙線を選別することが可能となります。
これまでに装置開発、データ収集回路開発、テスト実験は完了し 、約3年間の観測の後に世界で初めて"knee"領域の鉄成分スペクトルを 明らかにする計画です。

TibetASγプロジェクトの更に詳しい内容は グループホームページ アクセスして下さい。